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成長戦略
業種
電気機器
上場区分
プライム市場

アフターサービス事業の戦略的収益化が企業成長の鍵となる 事業の位置付けとビジネスモデルを転換し、計画から実行までを伴走支援

  • アフターサービス
  • サービス化戦略
  • サービタイゼーション(Servitization)
  • プライシング
  • 収益モデル
  • 実行計画
  • モニタリング
  • 中期経営計画
  • 成長戦略

「売って終わり」の製品販売型ビジネスモデルから脱却し、これまでコストと見なされてきたサービスを収益源へ転換したいと考える企業が増えています。製品販売が堅調で増収増益を続けるA社も、アフターサービス事業を新たな収益の柱と位置づけ、さらなる成長を目指していました。本プロジェクトでは、A社のアフターサービス事業のビジネスモデルの見直しを起点に、サービスメニューの設計、実行計画の策定、モニタリング体制の構築に至るまで、戦略から実行フェーズにわたり伴走支援を行い、アフターサービス事業の収益化と持続的成長に向けた基盤を支援しました。

プロジェクト概要

取組課題

  • 製品販売のみでは売上・利益成長に限界がある
  • アフターサービスの価値を十分に訴求できておらず、コストセンターに留まる
  • 収益化に向けた現場の実行指針が不明確、PDCAが回っていない

実施内容

  • アフターサービス事業の内外分析を踏まえ、課題と論点を整理
  • 目指す姿、目標(KGI・KPI)を設定し、収益モデルやサービスメニューを設計
  • 具体的な実行計画を策定し、月次モニタリングおよび迅速な改善PDCAサイクルを構築

活動成果

  • アフターサービス事業の売上比率を向上し、独立した収益源に転換
  • アフターサービス事業の更なる高付加価値検討の基盤を構築

プロジェクトの背景と取組課題

A社はプライム市場に上場する電気機器メーカーであり、高性能機器の提供を通じて長年安定した収益を実現してきました。しかし、製品販売による成長には限界が見え始めており、既存事業だけでは持続的な売上・利益の拡大が困難になっていました。

一方で、アフターサービス事業は収益化を目的としたビジネスモデルになっておらず、必要コストとして位置付けられていました。これにより、利益創出の観点からの取り組みは限定的であり、成長ドライバーとして十分に活用されていませんでした。また、顧客側でもサービス対価を支払う意識が不足していました。

こうした背景のもと、本プロジェクトでは主に以下を取り組み課題として挙げました。

A社のアフターサービス価値の再定義

A社のアフターサービスを明確な収益源として位置づけることを経営課題として設定しました。しかし、社内にはサービス化戦略を推進する知見や体制が不足しており、収益化モデルの構築や実行段階での現場レベルの指針・評価指標(KGI・KPI)も整備されておりませんでした。その結果、PDCAサイクルも機能していない状況にありました。

A社のアフターサービス事業の戦略的な収益化

上記課題を解決するため、本プロジェクトでは計画策定から実行フェーズまでを一貫して支援することで同事業の戦略的な収益化を目指しました。

プロジェクトでの実施内容

現状把握

プロジェクトの初期では、まずA社の自社分析、特に事業構造と収益性の分析を行い、現状を可視化・共通認識化しました。加えて、市場環境、顧客ニーズ、競合他社のアフターサービスの内容と収益モデルを調査し、A社が抱える課題と論点を明らかにしました。

KGI設定による目指す姿の検討

目指す姿の検討では、アフターサービスを「顧客にとって価値があり、対価を払ってでも受けたいサービス」へと再定義し、KGIの設定を行いました。既にサービス提供している「従来サービス」については現状分析をもとに顧客別戦略を策定し、中期経営計画上の収益構造・目標値を設定しました。「新規サービス」については、顧客提供価値や収益構造を設計し、ビジネスモデルの骨格を構築しました。

KPI設定による事業計画策定

事業計画策定の段階では、結果KPIを設定し、ロードマップと数値計画を具体化しました。「従来サービス」では現場メンバーとのワークショップを重ね、部門別の実態を踏まえ、全社方針と部門別方針を策定し、目線合わせを行ったうえで数値計画を整備しました。「新規サービス」では、アフターサービスのメニュー設計・プライシングを進め、中でも顧客がコスト削減や事業効率化を実現できる高付加価値サービスのラインナップを構築し、リソース獲得に向けたロードマップを構築しました。

PDCAサイクルの実行

実行段階では、プロセスKPIを設定し、各施策を実行計画とアクションプランに落とし込み、PDCAサイクルを徹底的に回すことを支援しました。月次モニタリングを含む会議体の設計を行い、現場が主体的に課題を特定し、迅速かつ自律的に対策を立案・実行できる体制を構築しました。

プロジェクトの成果

本プロジェクトを通じて、A社はアフターサービス事業の売上比率を高め、「製品販売後の付帯コスト」から「独立した収益源」へと明確に位置付けを転換しました。同時に、アフターサービス事業の収益化に関する考え方とノウハウが社内に浸透し、今後の高付加価値サービス展開に向けた持続的成長の基盤が整いました。

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