- 業種
- 精密機械
- 上場区分
- 非上場
赤字経営を脱却するために、企業の強みを活かした再生・成長計画を立案
計画実現のために中長期にわたってハンズオンで企業再生と成長を支援
- モニタリング
- ものづくり
- 事業構造
- 人材育成
- 企業再生
- 意識改革
- 組織構造
- 資金調達
- 赤字脱却
対象企業は赤字経営が続く中で、追い打ちをかけるように外部環境が変化して売上が急減。債務超過となる可能性もあったため、経営体質を根本的に改善し、自立できるように企業を再生することが必須となっていました。そこで、財務、事業、ものづくりのあらゆる切り口から企業を診断・分析し、赤字解消のために、短期的な資金繰りの改善や、不採算事業・製品からの撤退、原価低減による短期的な収益改善に取り組みました。また、再生後も自立自走できる企業になるように、意識改革や、ものづくり改革、人材・組織力を強化するための仕組みの構築、収益モニタリング等、ものづくり基盤の強化も合わせて実施しました。
プロジェクト概要
取組課題
- 短期で経営黒字化
- 中期で黒字化の自立自走
実施内容
- 1stフェーズ 再生・成長に向けた短期・中期計画の立案
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- Step①
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- 財務分析
- 事業分析
- ものづくり分析
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- Step②
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- 短期・中期の再生計画の立案
- 意識改革
- 2ndフェーズ 短期・中期の施策実行
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- Step③
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- 資金調達
- 事業構造改革
- 組織改革
- 原価低減
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- Step④
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- バリューチェーン横断のものづくり改革の施策実行
- モニタリングの仕組みの構築・実行
- 人材育成・組織力強化の仕組みの構築
活動成果
- 資金繰り改善
- 収益向上
プロジェクトの背景と取組課題
対象企業は外部環境の変化により売上が急減し、赤字経営が続いていました。このまま赤字経営が継続していけば債務超過に陥るため、必然的に会社の存続を賭けて赤字体質を根本的に改善し、自立自走できるように企業を再生しなくてはなりません。
直近の課題は、財務、事業、ものづくりの視点から赤字の原因を究明し、採算のとれない事業や製品からの撤退、人員削減、原価低減により事業をスリム化すること。黒字事業や黒字製品の販売に注力し、黒字経営を実現するために、短期・中期の再生計画を立案する必要もありました。資金ショートを防ぐための当座の資金調達や、これまで決断・実行できなかった企業変革に向けて経営陣や社員の意識を変えることも課題でした。
一方、中長期の課題は、自立自走で黒字を維持していける企業体質にすることです。具体的には、バリューチェーン横断での抜本的なものづくり改革や、人材育成・組織力強化のための仕組みの構築、モニタリング等、ものづくり基盤の強化を行う必要がありました。
プロジェクトの実施内容
本プロジェクトでは、1stフェーズで再生・成長の短中期計画立案を、2ndフェーズで短中期の施策実行を支援しました。
1stフェーズのStep①では、初めに資金繰りを把握するためにキャッシュフロー分析を実施しました。過去の経営活動のキャッシュフローを把握し、将来的に資金ショートしないように改善策について仮説を立案。また、不採算事業や赤字製品等、収益を悪化させている事業・製品の収益分析も行いました。事業構造上の人員構成を分析し、人員整理計画を策定しました。さらに、バリューチェーンの機能(企画、営業、設計、調達、生産、サービス等)を横断的に見て、収益性を悪化させる機能上の課題を特定し、機能不全の対策や、即効性のある売上向上策、原価低減策を考えました。
Step②では、最初のステップの分析結果を用いて、事業の方向性や赤字脱却策を織り込んだ短期と中期の計画を立案しました。再生計画を確実に実行・実現するために、経営層や中間管理層や一般社員に改革の趣旨を説明し、動機付けを行い、意識変革も実施しました。
2ndフェーズでは、主に4つの短期施策を実行しました。1つ目は、企業再生・成長を可能にするために、短期と中期の計画をベースに資金を調達すること。2つ目は、不採算事業から撤退し、不採算製品の販売を終了すること。営業担当者が不採算製品の終売に向けて顧客に説明し調整するほか、ものづくり側では生産終了に向けて調達や製造ラインを調整していきました。3つ目は、不採算の事業や製品を整理することにより、過剰なリソースを整理し、逆に収益性の良い事業にリソースを集中させる調整を実行。4つ目は、直近でのキャッシュ流出を阻止するための、即効性のある材料費の低減や労務費の抑制により原価低減施策を実行しました。
さらに、中長期的に自立自走し黒字を維持できる企業体質を目指して変革するため、バリューチェーン横断で抜本的なものづくり改革や、人材育成・組織力強化の仕組みの構築、モニタリング等、ものづくり基盤を強化しました。
プロジェクトの成果
本プロジェクトの成果は2つあります。
1つ目は、企業再生計画を立案し、愚直に施策を実行することにより、債務超過が解消されました。
2つ目は、収益の向上です。また、持続的な収益向上のためにマネジメントの仕組みが構築されました。